29. Paradoxical Concanavalin A Staining : その染色機構について
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概要
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組織化学の分野で汎用されているConca-navalin A (Con A)は、C-3, C-4, G-6位に水酸基を有するぶどう糖あるいはマンノースと撰択的に結合することが明らかにされている。従って、これ等の6炭糖はその近接水酸基が過ヨウ素酸で酸化されるとCon Aに対する反応性を失うと推定されたが、上皮性粘液には奇妙なことに(paradoxical)、酸化後始めて反応性を獲得するものもあることが明らかになった。この種の糖蛋白は、過ヨウ素酸酸化後の還元あるいはアミンブロックのCon A反応性に対する影響によって更に二型に分けられるので、Con A反応性の糖蚤白は、過ヨウ素酸酸化後その結合性を失うI型、酸化後結合性が著しく高まるが、還元あるいはアミンブロックによって反応性を失うII型、酸化後反応性を獲得し、酸化後の還元あるいはアミンブロックによって更に反応性の高まるIII型に分類される。私達は、多数の酸化剤や還元剤、あるいはアミン類等のCon A-Peroxidase染色に対する効果を検討した結果、酸化剤はCon Aリセプターに隣接する糖を酸化して、恐らくは、マンノースのCon Aに対する反応性を覆っていた水酸基を失わせるのであろうとの結論に達した。
- 1977-10-20
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