組織事故と安全文化へのエンジニアリング : リーズンのアプローチ
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概要
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近年, 日本では多くの社会的事故が発生している.タンクローリーの爆発事故, JRのトンネル壁面崩落事故, 病院での患者取り替え事故, ウラン加工工場での臨界事故, これらのほとんどは人間の作業が関係して生じた事故である.事故原因と考えられる人間の作業誤りも実は原因としてではなく結果として見るべきであるということが認識され始めたものの, 組織事故としてアプローチする方法は未だ知られていない.そこで, 1997年に出版された(1999年に翻訳書)"Managing the Risks of Organizational Accidents"(Reason著)の概要をレポートする.人間エラーの研究は, もはや心理学の対象ではなくマネジメントや安全文化を含めた大きな領域で考えることが必要であり, しかもそれはエンジニアリングすべきものであるという書の主張にはTQMが今後, 安全をどのように捉えてゆくべきかを考えるヒントが含まれている.組織事故や安全文化への日本独自の取り組み方を検討するための出発点となることを期待し, 主要な部分を紹介する.
- 社団法人日本品質管理学会の論文
- 2000-04-15
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