九州北西岸におけるツクシトビウオの成熟と産卵
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概要
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ツクシトビウオの成熟と産卵の実態を明らかにする目的で, 定置網, まき網, 船曳網の漁獲物について性比, GSI, 卵径の測定, 卵巣の組織観察等を行った。岸側の漁獲物では漁期初めに雌の割合が低く, その割合は徐々に高まった。沖側では漁期を通じて約80%が雌であった。GSIは岸側で低く, 沖側で高かった。卵巣内には今後排卵されると思われる卵群の他に発達するであろうと考えられる卵群の分離が見られた。また, 最大の卵径は岸で小さく, 沖で大きい傾向を示し, 岸側の卵巣では97%の高い比率で排卵後濾胞が認められた。ツクシトビウオは産卵期に雌雄別群として来遊し, 最初雄が接岸し, 後から成熟した雌が接岸して産卵が行わると考えられ, 1産卵期中に複数回産卵を行っていると推察された。
- 公益社団法人日本水産学会の論文
- 1999-07-15
著者
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