原発性肺リンパ肉腫の1手術例

概要

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27才女性の原発性肺リンパ肉腫例を経験した.無症状.胸部レ線左中肺野に腫瘍所見.気管支造影にて左B5,B6枝が軽度狭小.Gaシンチグラム左中肺野にも異常取込み像.開胸下,腫瘍は左上葉下部中心に発育しているのを認める(葉外発育なし),腫瘍の性状はや・白色をおび,ゴム様弾性実質性である.術式は左上葉切除.他に腫瘍の存在する所見なく,摘出腫瘍の組織像は肺リンパ肉腫と診断された.原発性肺肉腫の報告は非常に少ない.リンパ肉腫は全身疾患であるため,全身的なリンパ系組織の病変が師実質にも及んでいるという場合が多く,肺原発のものは非常に稀で,外国文献上1974年までに100余例の報告をみ,本邦では,三上16)(1967)の報告以来1975年まで,自験例12〕工〕,8〕,9〕,11),ユ8),工9〕,20)、27)を加え,9例の報告があるにすぎない.しかし少ない原発性肺肉腫の組織型ではリンパ肉腫が最も多い.以下,われわれの経験した原発性肺リンパ肉腫の1症例について報告する.
日本肺癌学会の論文