高齢男性が排尿障害で受診する要因の検討 : 外来受診者と検診受診者の比較

概要

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(目的)前立腺肥大症で外来受診する患者の動機と前立腺容積を明らかにするため,同年齢検診受診者との比較を試みた.(対象・方法)1994年9月から99年10月の間に当科外来を排尿障害を主訴に受診した195名と1997年6月に施行した三鷹市前立腺検診受診者268名を対象とした.国際前立腺症状スコア(International Prostate Symptom Score:IPSS),Quality Of Life Score(QOL score),残尿量測定,前立腺容積測定,尿流量測定を施行した.(結果)検診受診者の前立腺容積は年齢と関係なく約20〜25cm^3であり,外来受診群は検診受診群に比べ各年齢群で有意に前立腺容積が高値であった.IPSSとQOL scoreは外来受診者で有意に高く,外来受診群と検診受診群の判別にIPSSの各スコアの寄与は2時間以内の排尿と残尿感が大であった.検診受診者の前立腺容積と残尿量は有意な相関を認めた.IPSSの尿線細小のスコアと最小尿流率は検診受診者では有意な相関を認めた.(考察)加齢と共に前立腺重量が上昇する結果は得られず,外来受診者では50歳代でも有意に前立腺重量は大きかった.また,頻尿と残尿感が外来受診の大きな動機になっていた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
2001-03-20