浸潤性膀胱癌に対する術前補助化学療法の効果,および治療反応性に基づく浸潤性膀胱癌の形態的分類

元データ 1996-09-20 社団法人日本泌尿器科学会

概要

(背景と目的)進行膀胱癌に対する術前補助化学療法の化療感受性をもとに化療の妥当性,膀胱温存の可能性を検討した。(対象と方法)国立がんセンター中央病院泌尿器科で術前補助化学療法2コース後,膀胱全摘除術を施行した進行膀胱癌19例を対象とした。(結果)奏効率は79%で,patbological complete responseは19例中7例(37%)に認められた。摘除組織には癌細胞の変性壊死,リンパ球の浸潤,foamy macro-phageの集塊,繊維化など様々な所見が見られたが,これらの影響のため画像診断のみの深達度診断はかなり不正確となった。腫瘍を形態的に4タイプ,すなわち,頚部のくびれた結節隆起型(タイプ1),頚部のくびれがなく乳頭状腫瘍も混在しているがリンパ管侵襲のない隆起型(タイプ2A),頚部のくびれがなく乳頭状腫瘍も混在しているがリンパ管侵襲がみられる隆起型(タイプ2B),隆起傾向が顕著でなくCISも伴ったびまん浸潤型(タイプ3)の4型に分類した。膀胱癌取り扱い規約の組織学的治療効果判定基準に基づく分類のGrade2以上の効果はタイプ1では8例中7例(88%),タイプ2Aでは3例中2例(67%),タイプ2Bでは6例中なし(0%),タイプ3では2例中1例(50%)認められた。(結論)この分類は,進行膀胱癌に対する術前化療の妥当性を示すひとつの指標となり得ると同時に,将来膀胱温存を行う症例の選択基準として有用な指標となるものと思われる。特にタイプ1,2Aは化療感受性が良く,膀胱温存の可能性が示唆された。

著者

久米 春喜 東京大学医学部泌尿器科
庭川 要 静岡がんセンター泌尿器科
藤元 博行 国立がんセンター中央病院泌尿器科
垣添 忠生 国立がんセ病泌
鳶巣 賢一 国立がんセンター中央病院 泌尿器科
結縁 敬治 神鋼病院泌尿器科
堤 雅一 国立がんセンター中央病院泌尿器科
庭川 要 国立がんセンター中央病院泌尿器科
結縁 敬治 国立がんセンター中央病院泌尿器科
庭川 要 信州大学 泌尿器科
冨田 京一 国立がんセンター中央病院泌尿器科
久米 春喜 国立がんセンター中央病院泌尿器科
垣添 忠生 国立がんセ

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