前立腺癌根治症例におけるリンパ節転移と予後

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過去15年間に根治手術を施行した前立腺癌症例のリンパ節転移の有無およびリンパ節転移症例における転移個数, 部位, 原発巣の分化度と予後の関係を検討した.臨床病期A2, B, Cと診断した86例を対象とした.年齢は平均67.5歳で臨床病期はA2:9例, B1:15例, B2:13例, C:49例であった.術式は前立腺全摘除術51例, 膀胱前立腺全摘除術33例, 骨盤内臓全摘除術2例であった.リンパ節転移陽性例は, 臨床病期別ではA2:22.2%, B1:20.0%, B2:7.7%, C:43.8%で, 分化度別では高分化:15.4%, 中分化:23.7%, 低分化151.6%に認められ, 病期C及び低分化症例に有意にリンパ節転移が多く認められた (p<0.01).閉鎖節と内腸骨節だけでなく, 外腸骨節や総腸骨節まで郭清した21例において転移リンパ節の存在部位を検討すると, 内腸骨節と閉鎖節のみを郭清した場合, 21例中2例 (約10%) にFALSENE GATIVEが存在した.リンパ節転移陽性例は全例, 術後ホルモン治療を併用したにもかかわらず, 陽性例 (n=27) と陰性例 (n=59) の5年生存率は, 66.4%と92.4%で, 陽性例が有意に予後が悪かった (p<0.001).リンパ節転移陽性例では, 転移リンパ節の個数, 部位よりも分化度が予後に影響を与えていた (p<0.05).リンパ節転移症例でも分化度が高分化または中分化であれば, 手術療法にホルモン治療を併用することで長期生存が期待された.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1995-08-20

前立腺癌根治症例におけるリンパ節転移と予後

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