抗癌剤および抗androgen剤によるspermatogenesis障害の実験的研究
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概要
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薬剤によるspermatogenesis障害の発現機構, および回復過程を検討する目的で, ラットのspermatogenesisに障害を与え, 精細管内の組織学的所見と, 抗PCNA抗体を用いたspermatogenesisのDNA合成能, さらには精巣組織内transferrin濃度を指標としたSertoli細胞機能の関係について経時的に検討した.投与薬剤として, 抗癌剤 (CDDP) および抗androgen剤 (cyproteroneacetate, flutamide) を使用した.CDDP投与群では, 組織学的検討にはspermatogonia, spermatocyteの障害が顕著であり, 抗an-dlogen剤投与群ではspermatidの障害が顕著であった.DNA合成能の評価では, CDDP投与群で投与量依存性の顕著な障害を示したのに対し, 抗androgen剤投与群ではそれぞれ30mg/kgの高投与量群のみで有意な障害が認められた.Sertoli細胞機能の指標としての精巣組織内transferrin濃度の変化を見ると, 抗androgen剤投与群では, 低投与量群においても投与量依存性にSertoli細胞機能の障害が認められていた.しかしCDDP投与群では8mg/kgの高投与量群でのみ有意な低下を示していた.今回の実験検討の結果から, CDDPにおいてはDNA合成能への障害が, 抗androgen剤ではSertoli細胞機能障害が, 夫々主たる障害機構であるが, 両薬剤とも高投与量になると, 他の障害を合併し, より高度な障害を惹起することが明らかになった.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1995-07-20
著者
-
熊本 悦明
札幌医科大学医学部泌尿器科
-
南部 明民
三樹会病院
-
熊本 悦明
川崎医科大学附属病院呼吸器内科
-
南部 明民
札幌医科大学泌尿器科
-
南部 明民
札幌医科大学医学部泌尿器科学教室
-
南部 明民
札幌医科大学 泌尿器科
-
熊本 悦明
札幌医科大
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