経直腸超音波ガイド下前立腺生検266例の検討

概要

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(背景と目的) 前立腺癌の診断における直腸診 (DRE), 前立腺特異抗原 (PSA), 縫直腸的超音波断層法 (TRUS) の有用性について検討した. (対象と方法) 1992年1月から1994年9月までに泌尿器科外来においてTRUSガイド下に前立腺生検が施行された266例を検討した.生検は自動穿刺装置に18G, 160mmの穿刺針を装着して経直腸的に施行した. (結果) 前立腺癌は52例 (19.5%) に認められ, 超音波診断でhypoechoic areaを認めなかった病症例が16例あったが, hypoechoic areaを示した67例においては36例 (53.7%) に癌が検出された.positive predictive valueはDRE, PSA, TRUS単独では, 各々52.1%, 24.4%, 53.7%であったが, DREとPSAを組み合わせると82.2%, さらにTRUSを併用すると93.7%まで上昇した. (結論) 原則として超音波所見で異常がなくとも系統的生検を施行すべきであり, 前立腺癌の診断のためにはDRE, PSA, TRUSによる3検査法の組み合わせが有用であると考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1995-11-20