圧電式砕石装置による無麻酔体外衝撃波砕石術の治療経験

概要

論文の詳細を見る
1991年11月より1993年10月までの2年間に,270症例(腎結石117例,尿管結石153例)の尿路結石症患者に対し第三世代の結石砕石装置 Piezolith 2500によるESWL治療を施行した.腎結石症例および尿管結石症例での平均衝撃波数・平均治療回数はそれぞれ3,369発・2.1回および3,970発・1.9回であった.2例で硬膜外麻酔を要したが,それ以外の全例で無麻酔治療が可能であり,247症例(91%)にin situでのESWL治療を行った.補助療法としてはD-J カテーテルを21例に,経皮的腎瘻を2例に施行した.また,外来通院による治療は202回/530回(38%)で行われた.3ヵ月後の完全排石率は,腎結石および尿管結石症例でそれぞれ86%・92%と非常に満足すべき結果であった.ESWL単独治療で破砕できなかった13名の患者に対しては,13例でTULが2例でPNLが施行された.ほとんど全ての症例で血尿は観察されたが,腎被膜下血腫や消化管出血などの合併症は経験しなかった.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1994-12-20