前立腺癌骨転移の指標としての尿中ハイドロキシプロリンの検討 (II) : 骨シンチグラムにおける前立腺癌転移巣の広がりと生化学マーカーとの関連について

概要

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骨シンチグラフィーは前立腺癌の骨転移の検索に必須の検査であるが、定性検査であって定量検査ではない。我々は組織学的に前立腺癌と診断され、骨シンチグラム上転移の認められた24例を対象にcomputerized digitizerを用いて骨転移の面積を測定し定量化を試みた。面積測定と同時に転移数も算定した。また相前後して血沈、LDH、総酸フォスファターゼ、前立腺性酸フォスファターゼ、アルカリフォスファターゼ、1日尿中ハイドロキシプロリン・クレアチニン比を測定し、転移面積および転移数との相関を検討した。その結果、1)各マーカーにおいて、転移数よりも転移面積との相関が高かった。2)転移面積とアルカリフォスファターゼとの間には高い相関が認められた(γ=0.75)が、アルカリフォスファターゼの異常値出現率は低く、大部分が正常値内での相関であった。3)転移面積と1日尿中ハイドロキシプロリン・クレアチニン比との相関は高く(γ=O.78)かつハイドロキシプロリン・クレアチニン比の異常値出現率が高いため、前立腺癌の骨転移の生化学マーカーとして1日尿中ハイドロキシブロリン・クレアチニン比が有用と思われた。
社団法人日本泌尿器科学会の論文