前立腺肥大症の手術法に関する臨床的検討

概要

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1976年10月より1981年9月までの5年間に外科的療法を行つた144例の前立腺肥大症の検討を行つた。年齢分布は47歳より88歳までで,70代および60代の順で多かつた。外科療法の内訳は恥骨上式前立腺摘除術(SPP)88例,会陰式前立腺摘除術1例,凍結手術5例およびTUR50例であつた。平均手術時間はSPP107.3分,TUR94.5分であつた。急性副睾丸炎が最も頻度の多い術後合併症であり,難治性又は発熱を伴なう尿路感染症が次に多かつた。術後死亡例はなかつた。術後平均入院期間はSPPが20.6日,凍結手術が35.8日,TURが15.1日であつた。摘出腺腫平均重量はSPPが40.6g,TURが6.8gであつた。100g以上の腺腫が5例にみられた。しかし535gという最も重い腺腫はこの検討より除外した。また高齢になるに従がい摘出腺腫重量も増加する傾向であつた。偶発癌はルチーンの病理学的検査で1例(0.7%)のみに認められた。Open surgeryにおける各術者の手術時間,出血量,摘出腺腫重量および輸血量に関して検討した結果,教官が助手として手術の介助をすれば各科をローテートしているジュニアレジデントでもSPPは左程遜色なく出来るという事が分つた。
1982-10-20