男子におけるプロラクチンの研究 : 第1報 前立腺癌患者, 性腺機能低下例のプロラクチン分泌動態
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概要
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2抗体法のgradioimmunoassay法にて各種泌尿器科患者の血中PRL値を測定した。113名の3歳から80歳までの正常男子例の血中PRL値は11.O土4.53ng/mlであり最高値24.5ng/mlであった。加齢に伴なう変化は認められたかった。前立腺癌患者20名の血中PRL値は9.1土3.34ng/mlですべて正常値を示し,癌の進行度とも相関関係はなかった。TRHに対する反応も正常反応であり,前立腺癌患者のPRL分泌動態は異常を認めなかった。Klinefelter's syndrome,乏精子症,無精子症などの性腺機能低下症例の血中PRL値は正常成人男子と差はなかった。しかし血中testosterone値が小児並に低いhypogonadotropic eunuchoidismにおいては,血中PRL値はやや低く,TRHに対する反応もやや低反応を示し,低testosterone値のPRL分泌への何らかの影響か又は視床下部下垂体系の不全によるものと考えられた。頭蓋内疾患による性腺機能低下例5例中,2例の高PRL血症を認めた。下垂体のchromophobe adenomaの症例は9,000ng/mlと異常高値であり,この高PRL血症の性腺機能低下への影響が示唆された。
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
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