膀胱癌の進展ならびに転移に関する研究 : 第1報 脈管内侵襲について
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概要
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膀胱癌の進展ならびに転移の系路および形式の解明ならびにその防止は膀胱癌の治療上極めて重要である.このため摘除標本における腫瘍細胞の脈管内侵襲所見と術後転移との関係について検討した.対象は膀胱移行上皮癌26例で,1976年11月より1979年10月までの3年間に膀胱全摘除術あるいは膀胱部分切除術を施行して得られた摘除標本について組織学的検索を行った.リンパ管あるいは血管内に腫瘍細胞の侵襲を認めたものは26例中13例(50.0%)であり,stage別ではhigh stage(stage B_2,C)では6例全例に,low stage(stage O,A,B)では20例中7例(35.0%)に脈管内侵襲を認めた.grade別では grade IIでは脈管内侵襲は認められず,grade IIIでは9例中3例(33.3%), grade IVでは13例中10例(76.9%)に脈管内侵襲を認め,high stage,high gradeに脈管侵襲の頻度が高い結果であった.脈管内侵襲を認めた13例中5例(38.4%)に術後転移を認めたが,脈管内侵襲陰性例では13例中1例(7.7%)に転移を認めたにすぎず明らかに脈管内侵襲陽性例に転移の多い結果であった.これらの結果から脈管内侵襲陽性例では術後転移の可能性があり,たとえlow stageの症例でも化学療法の併用により転移防止をはかる必要があるものと考えられる.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1981-08-20
著者
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安達 国昭
宮城野病院
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菅野 理
山形県立中央
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久保田 洋子
山形大学医学部泌尿器科
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沼沢 和夫
日本医科大学付属多摩永山病院泌尿器科
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沼沢 和夫
山形大学医学部泌尿器科学教室
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鈴木 騏一
山形大学医学部泌尿器科学教室
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斉藤 雅昭
市立済生館
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菅野 理
山形大学医学部泌尿器科学教室
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斉藤 雅昭
山形大学医学部泌尿器科学教室
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安達 国昭
山形大学医学部泌尿器科学教室
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川村 俊三
山形大学医学部泌尿器科学教室
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