ピエゾ型砕石装置ESL-500Aを用いた上部尿路結石2019症例の治療成績

概要

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(目的)上部尿路結石のESWL治療成績を多数例で評価し,本治療法の有効性,安全性の向上を主眼に,当科における手法を報告する.(対象と方法)ピエゾ型超音波照準砕石装置ESL-500Aを用いて,腎結石815例,尿管結石1,204例を治療した.51例(2.5%)に補助療法を要したが,1,968例(97.5%)はESWL単独で治療した.適切な体位をとり常時超音波観察下に治療を行った.描出困難例は腸管ガスを排除し,また水尿管を増強させるため利尿剤を投与し,観察条件の改善を図った.尿路感染症合併例は抗生剤治療を先行させたが,尿路閉塞を伴う場合は早期解除に努めた.(結果)残石4mm以下の症例を含めた治療1カ月後の有効率は,腎結石97.7%,尿管結石98.7%であった.平均治療回数は腎結石1.49回,尿管結石1.16回で,結石が大きいほど多くなった.2回以上の治療を要した症例は,腎結石が24.2%,尿管結石が12.0%であった.重篤な合併症として,ESWL後に敗血症になった1例,単腎例で無尿になった1例,Steinstrasseに尿路感染を伴い膿腎症になった1例を経験した.(結論)適切な治療手技や手順により,ESL-500Aを用いたESWLは破砕率が高く,合併症の少ない安全で優れた治療法と考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
2002-03-20