タンパク合成によるリンパ球混合培養反応の早期判定法

概要

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死体腎移植における受者選択にリンパ球混合培養反応(MLR)を応用すべく,リンパ球の幼若化反応をDNA合成よりも早期に開始するとされているタンパク合成からとらえることにより,MLR早期判定の可能性について検討した.タンパク合成は^3H-leucineを用い,リンパ球への取り込みを液体シンチレーションカウンターで1分間測定した.リンパ球をマイトマイシンC(MMC)処理(50μg/ml,37℃,20分間温浴)することにより,DNA合成のみならずタンパク合成も強く阻害され,しかも阻害の程度はMMC濃度依存性であることを確認した.そこで,MLRにおける刺激細胞にはMMC処理を行ない,one way MLRを行なった.rapid MLRはリンパ球混合培養期間を24時間とし,反応の指標は%responseとして表わした.本法における%responseは同時に行なったstandard MLRのstimulation indexと有意の相関を示した(n=29,r=0,660,p<0.01).また,HLA-DR適合間のallogenic MLRにおいても^3H-leucineの取り込みに有意の差を認めた(p<0.01).以上から,本法は死体腎移植臨床における受者選択に応用が可能であり,かつ有用な組織適合性試験になり得ると考えられた.