腎血管性高血圧症の外科的治療 : 過去23年間の症例について

概要

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1958年から1981年までの23年間に経験した48例の腎血管性高血圧症例について総括・検討した.原因疾患は線維筋異形成 (19例) が最も多く, 次いで粥状硬化症 (13例), 大動脈炎 (4例), 腎動脈瘤 (4例) の順で, 残る7例は原因不明であった.48例中38例 (43腎) に手術を行なったが, 初期には腎摘除と splenorenal anastomosis, arorto-renal bypass, vein patch graftといった血行再建術が中心であり, 最近は自家腎移植と腎摘除が主たる術式となっている.退院時点での手術による高血圧治癒率は71%, 改善を含む有効率は87%であったが, 最近10年間に限れば治癒率90%, 有効率100%であった.術式別には自家腎移植ついで腎摘除の成績が良く, 自家移植以外の血行再建術の成績は不良であった.手術がその死因に大きな比重を占めたのは2例 (感染症1例, 腎不全1例) であった.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1983-07-20