^<99m>Tc-DTPA腎シンチフォトの研究 : 全身マクロオートラジオグラフィーを中心に

概要

論文の詳細を見る
^<99m>Tc-DTPAによる腎シンチグラフィーの基礎的解析を凍結全身マクロ・オートラジオグラフィー(マクロARG)を用いて行なつた。ARGは元来β線放出物質を使用して行う場合が多いが,^<99m>Tcは短半減期でかつγ線放出物質のため,通常の方法では放射能の減衰を来たし,良質の像が得られにくい。そのため従来長時間要していた標本の凍結化および切片の乾燥に費やす時間を極端に省略し,切片化以後の全操作を露出も含めて冷凍庫内で行ない,比較的良好な像が得られた。オートラジオグラムの解析は,従来より行なわれている定性評価,組織の放射能計測に,新たにコンピューター画像処理を加えた3点より行なつた。その結果,それぞれに長所,短所がみられたが,コンピューター画像解析ではその有用性が明らかとなつた。本剤は初期相の血液,肺,肝を除げば腎・尿路系に特異的に分布し,とりわけ腎内分布では第一循環の通過後は徐々に再循環により摂取され,かつ急速に排泄系へと転送されることが判明したが,これは既知のGFR物質のそれと類似していた。また,ヒト腎シンチグラフィーと比較検討した結果,いわゆる血流,機能,排泄の各相は明確には区別し得ず,得られる像は腎内転送過程上の合成像であることが推察された。
1982-09-20

^<99m>Tc-DTPA腎シンチフォトの研究 : 全身マクロオートラジオグラフィーを中心に

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク