膀胱腫瘍に対する経尿道的Nd:YAGレーザーの治療効果

概要

論文の詳細を見る
近年,レーザー光線の医学領域への応用が活発となり,多数の論文が発表されてきた。一方,可撓性導光路が開発されるに従い,Nd:YAGレーザーによる経尿道的手術が可能となった。今回,われわれは膀胱腫瘍にNd:YAGレーザーを用いた経尿道的腫瘍切除術を試みたのでその結果に関し報告する。39人の膀胱腫瘍患者,50腫瘍を対象とした。使用した機器はMediLas YAGおよびWolf社製レーザー膀胱鏡である。レーザー手術は10%ウリガール水を膀胱内に潅流しつつ行っている。腰椎麻酔31例,局所麻酔8例である。50ワット5秒照射を1単位とし,手術終了まで症例により異なるが,5〜50単位を要した。50腫瘍のうち29腫瘍はレーザー単独,他の21腫瘍はレーザーのみでなく他の治療との併用療法で完治した。次に,レーザー単独または併用療法で行ったかを,腫瘍の部位,形態,大きさ,病理組織に従って検討した。レーザー外科に関しまとめると,(1)1cm以下の小さな腫瘍が適応となる。(2)局麻下でも行うことができる。(3)出血が少い.止血も容易である。(4)術中合併症が少い。(5)閉鎖神経反射がない。(6)39症例中9例が再発した。その期間は2ヵ月から12ヵ月である。以上より,レーザー外科は膀胱腫瘍の新しい治療法になり得るものであり,重篤合併症を有する患者にも行うことができる治療法であることが判明した。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1982-07-20

膀胱腫瘍に対する経尿道的Nd:YAGレーザーの治療効果

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク