正答に至るまでの解答経路を用いた被験者特性値の推定
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概要
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本研究では,学力テストなどの多肢選択形式をとるテストを実施する際に,1回の解答から得られた情報のみを利用するのではなく,選んだ選択肢が誤答であった場合には,正答に至るまで何回も解答させ,そのときの解答経路(選択順序)情報も利用して,被験者の能力を,より効果的に推定する"達成式モデル"が提案された.これは,項目反応理論の名義反応モデルを拡張した条件付反応モデルである.そして,各解答経路の特性関数および項目情報関数の一般式が求められた.それをもとにしたシミュレーション実験では,達成式の解答方法を用いれば,項目数を減らしても,1回限りの解答方法(単答式)によるテストと同等の精度で被験者能力の推定が可能であること,この方法はコンピュータ適応型テスト(CAT)に向いた優れた特性を持つことが示唆された.
- 日本教育工学会の論文
- 1999-09-20
著者
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