水みちとしての断層と節理 : 構造地質学から応用構造地質学へ
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概要
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断層と節理は構造地質学の主要な研究対象であると同時に, 応用地質学の重要な研究対象でもある。しかし, 構造地質学は応用地質学の問題に積極的には答えていない。断層系・節理系や断層帯に関する構造地質学的研究成果に断層と節理が水みちとして「どのように機能するか」という新たな視点を加えることにより, 構造地質学は応用地質学に重要な知見を与えることができよう。物理探査を積極的に援用して断層と節理の3次元的特徴およびそれらの水みちとしての特徴を捉えることも重要である。露頭における断層系・節理系や破砕帯の特徴も, 水みちとして「どのように機能するか」を評価するために積極的に利用すべきである。断層と節理に関する構造地質学的研究は単にテクトニクスの解明という視点からだけではなく, 今後は水みちとしての断層と節理に関するナチュラルアナログとしての意義も大きい。水みちという視点からの新たなモデル化も緊急の課題である。
- 日本地質学会の論文
- 1998-07-31
著者
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