21世紀の日本の地質学
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概要
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地質学は生命の起源とその歴史の解明を究極の目標として実証主義的な立場から膨大なデータを蓄積してきた。実際には, 人間の生活に直に役に立つ物質の探索である鉱床探査など応用科学的側面が強かったとしても, 純粋に知的な目的は我々人類の起源と歴史を知り, 我々の将来を洞察することであったに違いない。データの蓄積が一応のまとまりを見せた時代に応じて地質学者は生命の誕生・進化や生命を育んだ固体地球の変動の理論を構築してきたが, 21世紀の地質学は扱う対象を"もっと広い空間, もっと長い時間"へと拡大し, 多圏地球全体をカバーする地球変動システムの統一原理と地球の歴史の全貌を明らかにするだろう。その結果, 我々を待ち受ける地球の未来が具体的な形で地質学者に問われるようになり, 地質学は政治の問題と深く関わりあうようになるだろう。また現在驚異的なスピードで蓄積しつつあるデータは人類が神に選ばれた存在ではなく, 人類は他のどの生物とも同格の関係にあることを実証しつつある。この事実は新しい哲学が地質学を核として生れることを意味している。このような新しい時代に日本から何が発信できるのか, その具体的な方策を提言した。
- 日本地質学会の論文
- 1998-03-27
著者
-
丸山 茂徳
東京工業大学大学院理工学研究科地球惑星科学専攻
-
丸山 茂徳
東京工業大学大学院理工学研究科
-
丸山 茂徳
東京工業大学理工学研究科地球惑星科学
-
丸山 茂徳
東京工業大学
-
丸山 茂徳
東京工業大学・理・地惑
-
丸山 茂徳
東京工業大学理工学大学院地球惑星科学専攻
-
丸山 重徳
東京工業大学理学部
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