部分熔融体の構造と流動特性
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概要
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マグマ発生場のダイナミクスを支配する部分熔融体の構造と流動特性について理論および実験的研究をレビューする。部分熔融体の流動性は, メルトが粒界に浸入しない場合には固体状態とほとんど変わらないが, メルトが粒界に浸入すると急激に増加する。最近, マントル部分熔融領域でもメルトが粒界に浸入しうることを示す実験が報告されている。浸入のメカニズムとして界面エネルギーの異方性の影響, 変形の影響が考えられているが, まだ決着はついていない。メルトの粒界への浸入とその流動特性への影響は今後重点的に研究していくべき問題である。均質な部分熔融体の性質についての研究はかなり進んだが, その集合体として不均質な系がどのような挙動を示すかについての研究はほとんどない。マントル・プロセスの解明のためには, この不均質な系の理解が不可欠である。天然のサンプルから得られる情報を参照しつつ, 理論的研究と実験的研究とを連携させることが必要である。
- 日本地質学会の論文
- 1997-04-24
著者
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