九重-別府鮮新世沈降盆地の北西縁に分布する高マグネシア安山岩
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概要
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九州中北部の九重-別府鮮新世沈降盆地北西端に未分化な組成を有する高マグネシア安山岩(深倉-土師山HMA)を見いだした。これらの岩石は高いMgO, Cr-Ni含有量と低いFeO^*/MgO比を示す。含まれる鉱物の組成もMg#に富んでおり, 単斜輝石のMg#は最高90に達する。このことから深倉-土師山HMAは初生HMAの条件を満たすcpx-HMAである。液相濃集元素の特徴は瀬戸内のHMAに類似している。Sr-Nd同位体組成と液相濃集元素の特徴から, 深倉-土師山HMAの起源マントルは, 耶馬渓ソレアイト玄武岩のソースマントルに, スラブ由来の流体と沈み込む堆積物に伴ってLIL元素が付加されたと考えると, 岩石学的特徴をうまく説明できる。ただしマントルに付加されたLIL元素量によって, LIL元素に富んだグループ(HKG)と, LIL元素にあまり富まないグループ(LKG)の二つが存在していたと考えられる。
- 1995-11-30
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