「九重-別府地溝」北西縁部の地質構造形成史
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概要
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中北部九州に発達する「九重-別府鮮新世沈降盆地」は, 大口ケ岳-犬ケ岳帯に北限を, 桑野-大行司断層と日田-白草線に西端を, 大分-熊本構造線に南限を画され, 約1000 m沈降している。これらの断層帯の活動は鮮新世前期に始まっている。この沈降盆地のうち久留米-日出線の南側は鮮新世に引き続いて更新世, 特に1 Ma以降最大の沈降をおこし, その沈降量は1400 mを越える。この地域が「九重-別府地溝」にあたる。大口ケ岳-犬ケ岳帯, 久留米-日出線および大分-熊本構造線は右横ずれ性断層である。北を久留米-日出線, 南を大分-熊本構造線で画される「九重-別府地溝」が, 膨大な量の火山岩類を噴出しながらきわめて短期間に形成されたのは, テクトニクス上, Pull-apart basin形成の場が, 火山構造性陥没地形成の場であったことによる。これらの現象は, フィリピン海プレートの沈み込みによって引き起こされたと考えられる。
- 1993-06-25
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