別府-島原地溝の発想とその後の発展および課題
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概要
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別府湾から島原半島にかけて, 中部九州を横断する別府-島原地溝の存在は, 重力異常, 先中新統の分布, 活断層, 現世の地殻変形, 基盤岩深度などから推定される。造構史として, 先行隆起と撓曲→深部断裂→陥没→火山活動(ときに火山活動→陥没)の大きく3回の繰り返しが考えられる。これらの時代は中新世中後期, 鮮新世〜更新世中期前半, 更新世中期後半〜現世である。別府-島原地溝は中央構造線(とくに大分-熊本線)とも密接に関係し, その東方延長は松山-西条凹地から吉野川地溝, 南西〜南南西延長は天草灘地溝から沖縄トラフへと追跡され, 非火山性地溝と火山性地溝の組み合わせとも考えられる。別府-島原地溝の実像を解明し, その形成過程や形成要因の真実を探求するためには, 地質学, 地球化学, 測地学, 地球物理学, 火山学, 地熱学, その他の分野を総合した真の意味の総合研究が必要である。
- 1993-06-25
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