日本の白亜紀中期のテクトニクスについての考察
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概要
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白亜紀中期に肥後-阿武隈帯が形成された.ジュラ紀付加体の重複配列の形成とほぼ同時であったと考えられる.変成帯の冷却・隆起は95Ma頃で,四万十帯の付加体が形成され始めた時期である.変成岩の年代データからみて,肥後-阿武隈帯と三波川-神居古潭帯は同一の島弧-海溝系で形成されたと思われる.この制約のもとで,日本列島のテクトニクスをまとめると:白亜紀中期には西南日本内帯の東方を東北日本や西南日本外帯の地質体が北方へ移動中であった.移動していた地質体の東縁部のサブダクション帯で三波川-神居古潭帯が形成され,その西縁部で肥後-阿武隈帯が形成された.あまり移動しなかった西南日本内帯の東縁部には領家変成岩が形成された.この横ずれ移動は95Ma頃に終息し,その頃に構造運動の状況が大きく変化した.その後,西南日本の大部分の肥後-阿武隈帯はナップ・テクトニクスによって消滅した.
- 日本地質学会の論文
- 2002-05-15
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- P-27 日本列島の白亜紀中期のテクトニクス(6. 環日本海-東アジアの地殻構造とテクトニクス,ポスターセッション,一般発表)