関東山地東方吉見丘陵の中新世マイロナイト
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概要
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関東山地北縁部の東方にある吉見変成岩類はいろいろな程度にマイロナイト化されているが,これに重複して新期のマイロナイト化作用が各所で見られる.新期のマイロナイト化作用によって白雲母,緑泥石,クリノゾイサイト,方解石,不透明鉱物などが生成しているが,泥質マイロナイトに黒雲母は生成していない.マイロナイト剪断面は原岩の層理面や片理面に調和している.日向山地域では厚さが約5cmから1mほどのマイロナイトが,カタクレーサイトを伴いながらかなり広い範囲に点在している.カタクレーサイト化されていない顕著にマイロナイト化した泥質片岩についてK-Ar全岩年代を求めたところ,18.0Maの年代が得られた.関東山地北縁部の新第三系のテクトニクスや関東山地の時計方向の回転テクトニクスを考慮すると,吉見変成岩類のマイロナイト化は回転境界近傍に生じた中新世中期の種々のテクトニクスの一つと思われる.
- 日本地質学会の論文
- 2003-07-15
著者
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