跡倉ナップのテクトニック・ブロックとその地質学的意義
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概要
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跡倉ナップの内部構造を解明する目的で, 関東山地北東緑部皆野町から小川町にかけて, 三波川帯に重なる跡倉ナップ由来の大きさが1 km以下の変成岩体や花崗岩体の産状を調べた.小岩体は周囲の地質体と低角断層と高角断層で囲まれたテクトニック・ブロックで, その内部には更に小さなテクトニック・ブロックが認められる.小岩体の周辺の地質体もお互いに断層で接合しており, すべてテクトニック・ブロックといえる.小岩体は, これら比較的大きなテクトニック・ブロックの境界断層付近に多く, ルート・ゾーンにおいて断層が形成された時に, 取り込まれたと考えられる.要するに, 跡倉ナップは種々の規模のテクトニック・ブロックの集合体である.その成因はルート・ゾーンで短縮テクトニクスが繰り返し起きたためと推定される.
- 日本地質学会の論文
- 2000-09-15
著者
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