カルデラ湖における火山砕屑性重力流堆積物の堆積相と堆積様式 : 栗駒南部地熱地域,更新統管ノ平層の例
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概要
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赤倉カルデラの陥没盆地(古赤倉カルデラ潮)を埋積した更新統管ノ平層には,軽石に富む火山砕層性重力波堆積物(PT玉PT-2)が挟在する.PT-1とPT-2は,下位より岩相A(火山榛〜火山岩塊サイズの軽石と石質岩片からなる無層理淘汰不良部),岩相B7(火山榛〜火山岩塊サイズの軽石に富む層と石質岩片に富む層の互層),岩相C(火山榛サイズの軽石に富む層と石質岩片に富む層の互層),岩相D(成層した粗粒火山灰),岩相E(塊状細粒火山灰)に区分される上方細粒化シーケンスを示す.このシーケンスは,流れが分化を繰り返すことによる希釈・減衰過程で形成される高密度混濁流堆積物の堆積相(Lowe,1982)に類似するが,トラクションカーペツトが欠如することと最上部で皿状構造が発達するという相違点が挙げられる.これは,火山砕屑物が水底火砕噴火で生じた噴煙柱から供給され,砕層物の拡散を抑制する閉塞したカルデラ湖に堆積したことに起因すると考えられる.
- 日本地質学会の論文
- 2004-06-15
著者
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大竹 正巳
三菱マテリアル知識産業センター
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大竹 正巳
Institute Of Astrophysics And Earth Sciences Graduate School Of Science And Engineering Ibaraki Univ
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大竹 正巳
三菱マテリアルテクノ株式会社資源・エネルギー事業部
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