栗駒南部地熱地域,赤倉カルデラ湖の堆積相,堆積作用および堆積環境
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
栗駒南部地熱地域に分布する更新統管ノ平層中〜上部は,赤倉カルデラ湖のスロープエプロンと堆積盆底の堆積物から構成される.管ノ平層中部に相当するスロープエプロン堆積物は,カルデラ壁崩壊に由来する土石流や混濁流によってもたらされた礫岩や砂岩泥岩互層を主体とし,スランプ構造が発達する.管ノ平層上部に相当する堆積盆底堆積物は,低密度の堆積物重力流や懸濁物質の降下堆積による泥岩が卓越し,植物化石を産する.スロープエプロンと堆積盆底の堆積物には,軽石に富む火山砕屑物が多量に挟在する.スロープエプロン堆積物から堆積盆底堆積物への上方細粒化は,重力的に不安定なカルデラ壁の斜面崩壊や湖水面上昇によって砕屑物の供給域が後退したことに起因する.カルデラ湖の埋積作用には,カルデラ壁の斜面崩壊に由来する基盤岩の砕屑物に加え,カルデラ南東部の後カルデラ期火山活動で生成された安山岩質火砕岩と,カルデラ東方を給源とする珪長質火山砕屑物の供給が関与していた.
- 2007-11-15
著者
-
大竹 正巳
Institute Of Astrophysics And Earth Sciences Graduate School Of Science And Engineering Ibaraki Univ
-
大竹 正巳
Institute Of Astrophysics And Earth Sciences Graduate School Of Science And Engineering Ibaraki Univ
-
Otake Masami
Institute Of Astrophysics And Earth Sciences Graduate School Of Science And Engineering Ibaraki Univ
関連論文
- 栗駒南部地熱地域, 赤倉カルデラの層序と火砕流噴出・陥没様式
- 福島県南会津,後期中新世木賊カルデラの形成史
- 319. 陥没カルデラの堆積相と発達史 : 福島県南会津木賊カルデラ
- インドネシア共和国フローレス島中央部バジャワ地方の地質,地球化学及び地質年代:バジャワ陥没地の地質構造と変遷
- インドネシア共和国フローレス島バジャワ地域における火山活動史
- 東新潟ガス田におけるカッティングスの帯磁率とその岩相層序学的意義 : 帯磁率測定の坑井地質調査への適用
- カルデラ湖における火山砕屑性重力流堆積物の堆積相と堆積様式 : 栗駒南部地熱地域,更新統管ノ平層の例
- 栗駒南部地熱地域,赤倉カルデラ湖の堆積相,堆積作用および堆積環境
- P-29 インドネシア共和国フローレス島におけるバジャワ・カルデラの構造と火山活動史(11. 地域地質・地域層序,ポスターセッション,一般発表)