歯肉由来初期継代培養細胞に対する成形充填材料の細胞毒性(in vitro)
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概要
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歯肉由来の初期継代培養細胞に対する成形充〓材料の細胞毒性をしらべる目的で, BlackのV級窩洞および最近ではII級窩洞に用いられることも念頭において, 3種類の材料が歯肉由来細胞をはじめ歯髄由来細胞ならびにL細胞の細胞生存率におよぼす影響を調べた.その結果, 歯肉由来の初期継代培養細胞に対する材料の細胞毒性順位は, グラスアイオノマーセメントで最も強く, ついで光重合コンポジットレジンおよび銀スズアマルガムの順であった.他の細胞に対しても各材料とも同じ細胞毒性順位を示した.細胞生存率の算定結果では生細胞による算定あるいは株細胞における結果で各材料の影響がより顕著にあらわれた.細胞毒性におよぼす浸漬液の濾過の影響はグラスアイオノマーセメントで, 浸漬液への血清添加の影響は光重合コンポジットレジンでそれぞれ認められたが, 他の材料では変わらなかった.また, 同時に行った浸漬液のpH値, 溶出金属イオンならびに吸光度パターン測定によって各材料組成の浸漬液中への溶出が示唆され, 細胞毒性との関連についても強く示唆された.以上, 歯肉由来の初期継代培養細胞が歯髄由来の初期継代培養細胞あるいは株細胞との間で3種類の成形充〓材料に対して異なった挙動を示した.今後の組織培養法を応用した材料の生物学的評価実験に当って, 材料の使用組織の初期継代培養細胞を用いるのが有用であることがわかった.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1990-07-25
著者
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