歯科材料に対する細胞接着性
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概要
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4種類の歯科用プラスチック材料, ポリメチルメタクリレート(PMMA), ポリエーテルサルホン(PES), ポリサルホン(PSF)およびポリカーボネート(PC)に対する細胞の接着強さをしらべるべく, マウス結合織由来のL-929細胞を用い, 円錐円板型粘度計によって培養液を介して0.74Paの定ずり応力を試料表面上の細胞に負荷することによって細胞を〓離し, 接着強さを数量的に求めた.その結果, ずり応力を負荷しない条件下では, PES, PSFおよびPCでは対照の硬質ガラスに匹敵する良好な相対細胞接着率を示したが, PMMAではわずかに低い傾向を示した.一方, 定ずり応力を負荷すると細胞は材料表面から〓離され, 定ずり応力の負荷時間の増加とともに細胞残留率は低下した.この傾向はPMMAとPCで顕著であった.つぎに血清の有無と培養時間の影響については, 血清無添加群で血清添加群より細胞接着率および定ずり応力を負荷した後の細胞残留率ともに低かった.また, 血清添加群において, 24時間培養群よりも4時間培養群で, 細胞接着率および定ずり応力を負荷した後の細胞残留率ともに低下した.以上の結果から, 円錐円板型粘度計による細胞の材料に対する接着性の結果は, ずり応力を負荷しない静置条件下での結果と異なることが明らかとなった.したがって, 生体に用いられるバイオマテリアルに対する細胞の接着性を評価するにあたっては, 動的な測定手段をも加える必要があるといえる.その際, 本法はその評価法の1つとして有効な方法であることがわかった.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1993-03-25
著者
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