可視光線重合型コンポジットレジンに関する研究 : 長期間の水中浸漬が材料学的性質に及ぼす影響について
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概要
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本研究は, 3年間の水中浸漬がコンポジットレジンの材料学的性質に及ぼす影響を究明するために, 3種の可視光線重合型コンポジットレジン(Heliosit, Plurafil Super, Visio Dispers)と比較対照として1種の従来型コンポジットレジン(Clearfil F II)の材料的性質の経時的変化について検討を行い, 次のような結果を得た.吸水量試験では, 従来型コンポジットレジンは, 3年間まで吸水量が増加傾向を示したのに対し, 3種の可視光線重合型コンポジットレジンは, いずれも3ヵ月ないし6ヵ月ごろから経時的に減少傾向を示した.従って, 7日後の吸水量は, 3年間までの吸水量の経時的変化を検討した場合, 必ずしも各種コンポジットレジンの吸水傾向を比較するうえで適していない.試験体内部のSEM観察では, 3種の可視光線重合型コンポジットレジンは, いずれも気泡がほとんど存在していなかったのに対し, 従来型コンポジットレジンは, 気泡が多く確認された.また, 3年後の溶解量試験では, 従来型コンポジットレジンよりも3種のマイクロフィラー型の可視光線重合型コンポジットレジンの方が溶解しやすく, しかも, 4種のコンポジットレジンの吸水量試験体表層付近は, すべて崩壊されていて, 溶解量の大きいコンポジットレジンほど, その崩壊は内部にも達していた.一方, 引張強さおよび曲げ強さ試験では, 4種のコンポジットレジンは, すべて3日でほぼ平衡状態になるが, 引張強さの場合, この平衡状態は3ヵ月ないし6ヵ月ごろまでしか続かず, 1年後位から経時的に減少した.また, 曲げ強さの場合も, 平衡状態は3ヵ月ごろまでしか続かず, 6ヵ月位から経時的に減少する傾向であった.しかも, 曲げ強さは, 引張強さよりも経時的に減少する割合が大きい傾向を示した.
- 1986-09-25
著者
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