ケブカトラカミキリによる被害木の空間分布およびその成立要因としての成虫の走光性
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概要
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イヌマキの重要害虫であるケブカトラカミキリによるイヌマキ立木の被害分布を明らかにするため, 2003年4∿5月に鹿児島市内のイヌマキ造林地内に540m^2の調査プロットを設置し, その中の全ての立木について被害調査を行った。また, 2003年5月20日に調査プロット内の相対照度分布を調査した。ケブカトラカミキリの加害によって枯死した木や加害を受けた生立木(被害木)は, 道路に面した林縁部に多く分布していた。枯死木や被害木が分布していた地点の相対照度は, 健全木が分布していた地点の相対照度より有意に高かった。枯死木, 被害木, 健全木の間には胸高直径に有意差はみられなかった。また, 2001年と2002年の5月に室内実験により, 成虫の移動分散に関係が深いと考えられる走光性を歩行と飛翔の面から調査した。その結果, 歩行, 飛翔のいずれの場合でも雌雄とも正の走光性を示した。これらの結果から, 本種による林分内の被害の空間分布には, 林内の光環境と成虫の正の走光性が密接に関係していると考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 2005-02-01
著者
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