移動先エントロピーを用いた車両の走行履歴による到着地の推定(位置情報サービス, <特集>ユビキタスITSとモバイルアプリケーション)

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本稿では, 走行履歴から到着地を推定する場合の困難性を示す指標として, 移動先エントロピーを提案し, 走行履歴から到着地を推定する精度との関係を明らかにする.走行履歴の移動先エントロピーは, 出発からの所定時間における移動先の不確定さを表現しており, 走行時間とともに減少する.従来の車両の走行履歴から到着地を推定する手法においては, 運転者の走行履歴における到着地の頻度の情報を基に到着地の推定を行っている.そのため, 到着地の推定性能は, 過去の走行履歴の内容に大きく依存し, 各運転者によっても推定精度のばらつきが大きい.そこで, 走行履歴の移動先エントロピーを算出することで, 走行履歴から到着地を推定する困難性の定量化を行い, 到着地の推定への可能性を探る.車両走行履歴の移動先エントロピーと到着地の推定性能の関係を明らかにするため, 10名の運転者の走行履歴を取得し, 実走行履歴に対する移動先エントロピーを算出する実験を行った.その結果, 移動先エントロピーと到着地の推定精度に関しては大きな相関があり, 走行開始から5〜10分で移動先エントロピーの減少および移動先の推定精度の向上が見られた.また, 走行数の増加とともに移動先エントロピーは増加するが, ある所定値の走行数で収束が見られた.収束する走行数は被験者によって異なり, 到着地の推定に必要な走行数が推定できる可能性のあることが分かった.
社団法人情報処理学会の論文
2005-12-15

移動先エントロピーを用いた車両の走行履歴による到着地の推定(位置情報サービス, <特集>ユビキタスITSとモバイルアプリケーション)

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