ダンテとタッソの叙事詩 : 「神曲」と「エルサレムの解放」にみられる《intervento divino》
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概要
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そもそも叙事詩のimmaginazioneの第一要素は展開性であって、それ自体の光輝を広範囲に拡げる衝動である。ダンテの「神曲」においても、またタッソの「エルサレムの解放」においてもこの基調は例外ではない。今まで多くの研究者によって開拓探求されてきたダンテ、特に「神曲」について、今更その偉大さを説く必要はないが、その名声を高めたテキストのクリティックを試みることは更に基本的な態度として重要である。しかもここではタッソの畢生の力作「エルサレムの解放」を取りあげて、両叙事詩に現われた《intervento divino》を対照してみようという企てである。しかしその様態は両作品の主旨・性質の相違もあって、必ずしも同様でなく、その取扱いの相違点はむしろ両詩人の叙事詩理論の概念を理解するうえからも大いなる興味を惹くものである。
- 1965-01-20
著者
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