鋼橋損傷要因の階層化におけるファジィ階層化手法の適用について

概要

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橋梁に発生する損傷は種々の要因が複雑に組み合わさって生じており、さらに損傷発生による橋梁諸機能への影響も非常に複雑な関連性を有している。これらは1つのシステムを形成していると考えられるが、このシステムを完全に解明し定量的に把握することは現状において困難である。しかし、経験豊富な橋梁技術者は、これまでに蓄積された技術的経験・知識から、独自の損傷評価システムを概念的に構築していると考えられる。このような主観的判断に頼った診断は"あいまいさ"が内在し合理的とはいい難い面も有するが、専門家の経験的知識を整理・統合することによってシステム工学的に検討することは、橋梁診断エキスパートシステムの診断プロセスを確立していくうえで非常に重要であると考えられる。本研究では、定量化できるできないにかかわらず、あいまいさを伴う不確定要因をも含めて分析の対象にし、専門家の知識・経験をベースとした鋼橋損傷要因間の関連性に対する認識をアンケート調査を利用して抽出し、内在する"あいまいさ"をDempster & Shafer理論により数値化する。そして、ファジィ階層化手法を適用し、数種の階層構造モデルを作成したうえで、要因間の従属関係を示す連結線(パス)の簡潔性及び連結線(パス)の存在箇所と文献との一致性に留意し、最適な階層構造モデルを選択することにより、下位の定性的・定量的情報から上位の耐荷性・耐久性に及ぼす影響を推定するための階層構造モデルを構築することを目的としている。
日本知能情報ファジィ学会の論文
1991-11-15

鋼橋損傷要因の階層化におけるファジィ階層化手法の適用について

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