和音の楽譜の同定に対する先行和音の影響予備実験の報告
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
和声的に関連する和音を前もって処理することが,楽譜として提示される和音の処理を促進するかどうかを探索する予備的な実験を行った。音楽専攻大学生,大学院生10名に,和音の楽譜とその和音の音とを提示した後(プライム),和音の楽譜とある和音の音とを提示し(ターゲット),ターゲットの楽譜と音とが一致しているかどうかをできるだけ速く判断するよう求めた。プライムとターゲットとは和声的に関連しているか関連していないかのいずれかであった。絶対音感保有者と非保有者とで結果は大きく異なっていた。絶対音感非保有者は保有者に比べてエラー数がきわめて多く,また反応時間も遅かった。絶対音感保有者の場合,先行提示和音によるプライミング効果は明らかでなかったが,非保有者の場合,ターゲットがプライムと関連する場合,非関連の場合よりも速く反応する傾向があった。さらに精微な実験を積み重ねる必要が示唆された。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2002-05-18
著者
関連論文
- 広島県の痴呆性高齢者対応施設における音楽療法の実態と問題点 : 質問紙調査の回答を通して
- Kenneth H. Phillips著『子どもたちへの歌唱指導』より : 第2章 歌うことの精神運動的過程
- 児童期における絶対音高同定能力の縦断的調査
- 音楽療法における行動的な研究デザインの40年間 : Journal of Music Therapyに掲載された論文の内容分析
- 児童の絶対音高同定能力に関する横断的調査
- 児童の「音高認識体制」を成長させる音楽科学習指導方法の実証的研究 : 「2声部の歌い分け」をめざしたエクササイズアプローチの検証
- 異名同音の音高シラブルが音楽的音高の同定に及ぼす干渉効果
- 幼児・児童の話声位に関する研究 : 話声位測定における音声サンプルの選択
- 和音の楽譜の同定に対する先行和音の影響予備実験の報告