児童期における絶対音高同定能力の縦断的調査
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概要
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小学校の児童14名を対象として,絶対音高同定能力の縦断的調査を行った。テストの内容は,ヘッドホンを経由してランダム順に提示される24個の半音階音の音名を同定することであった。同じテストは年1回,かれらが1年生時から4年生時まで続けられた。14名の児童はその反応のちがいによって4つのグループに分かれた。第1グループ(N=5)は最も水準が高く,次いで第2グループ(N=3),第3グループ(N=2),および第4グループ(N=4)の順に水準が下がっていった。以下の知見が得られた。(1)絶対音高同定能力が学年を追って高まっていくという仮説は必ずしも支持されなかった。(2)白鍵音は黒鍵音よりも非常に正確に同定された。(3)F#やB♭のような平易な曲で使われる黒鍵音が早く習得されるという仮説は支持されなかった。これらの結果には,大きな個人差のあることが明らかになった。
- 2008-12-25
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