長唄における唄と三味線の付き方
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概要
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長唄10曲を題材に、計算機を用いて唄と三味線の付き方について分析を試みた。三味線音楽の旋律から装飾的な音を取り去っていくと、唄と三味線が同度で対応する音を抽出できる。これらの同度対応音は三味泉の旋律の骨組みとなる音の動きを形成する。そこで、まずこの同度対応音が、唄と三味線のパート間で、どれだけの時間差をともなって存在しているかを調べた。その結果、ゆっくりとした曲調の「クドキ」箇所では、唄が三味線より遅れて出る傾向にあり、テンポが速い「チラシ」箇所では、唄と三味線が付く傾向にある事を確認した。次に、この対応する箇所を詳しく見るために、まず、三味線の前後する2つの音の動きに対して、唄の窓幅を一定にして、同席対応音がどのように含まれるかを、6通りの方法で検討した。その結果、順次進行において、唄と三味線同度対応しやすい傾向を確認した。次に、三味線の旋律の窓幅を1小節〜5小節にとり、対応する唄の旋律の動きを調べた。その結果、唄の旋律が付きやすい三味線の動きが見い出された。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1996-02-24
著者
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