感情における論理
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概要
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本報告では,感情モデル構築のための事例研究として,イソップ物語の「狐と葡萄」を例に採り,「悔しさ」の発生と「負け惜しみによるストレスの解消」における論理の役割について述べる.プラン実行における失敗による悔しさの発生は,失敗という事実により,自分自身の能力に関する知識を下方修正しなければならない事態に陥ることによると考えられる.状況がこの条件に合致するとき,知識の下方修正から生じる悔しさの強さは,その知識に対する主観的確信度あるいは自信度(SCF:Subjective Certainty Factor/Self Confidence Factor)に依存する.「悔しさ」のような,ストレスが生じたとき,人はそれから逃れる行動を始める.「狐と葡萄」では,きつねは,「負け惜しみ」の行動を選んだ.この選択において,きつねが無意識的に失敗の原因追究に用いるATMSの依存束に似た命題の依存関係について述べ,さらにSCFと意志/意図/願望を含む過程のための知識と推論規則について述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-01-28
著者
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