聴覚妨害時の歌唱実験の解析
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概要
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音声、聴覚を用いたコミュニケーションにおいて、自らの発話を聞き取りながらその発話を調整する作用は欠かせない。この自声のフィードバック制御が如何なる性質も持つものなのかを調べるため、被験者の聴覚を妨害するような条件下で、被験者に歌唱を遂行してもらい、聴覚妨害のない条件下での歌唱と比較した。解析の結果、聴覚解放時の歌唱においては、聴覚妨害時に比べ、1:基本周波数成分がより安定していること、2:基本周波数周辺での分散の値がより大きいことが傾向として確認された。このことは聴覚解放時、すなわち自声のフィードバック制御が為されている条件下では、基本周波数が安定している事と同時に基本周波数付近の揺らぎが大きいことを示している。このことは通常の発話時においても、聴取者による補完こそが、会話、コミュニケーションの成立に寄与していることを示している。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-05-26
著者
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