音程調整機構に見るゆらぎの特性
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概要
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複雑さを語る方法論として、時間の経過と共に顕現しうる予測、制御からのずれを指摘する方法が考えられる。発声における音程は、自声のフィードバックによってより安定し、それと同時にゆらぎがより大きくなる。自声のフィードバック制御のある条件(条件0)とフィードバック制御が妨害された条件(条件1での歌唱データに対して、それぞれ母音窓を切り出し、おのおのの母音窓について、基本周波数周辺でのピークの安定とゆらぎの大きさについて解析した。同じ母音の発声において、母音窓の大きさと条件0が条件1より安定する割合に線形な正の相関が見られた。また、同じ母音の発声において、母音窓の大きさと条件0の方が条件1よりゆらぎが大きくなる割合に関しても、線形な正の相関が見られた。このことは、自声のフィードバック制御のある条件で、ゆらぎの増大が基本周波数周辺のピークの安定、つまり発声における音程の安定に関与していることを示している。自声のフィードバック制御下の発声は、健常者の通常の発話行為そのものであるが、これにおいてさえ、時間の経過と共に予測、制御からのずれが顕現しうることが示される。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-05-26
著者
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