金-白金双極電極を用いるサイクリックボルタンメトリーによる塩化物イオンの定量
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概要
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金作用電極及び白金対極を組み合わせた双極電極を用いて,サイクリックボルタンメトリーによる塩化物イオンの定量法を検討した.支持電解質にpH2.9に調整した0.1M硝酸カリウムを用い,正電位方向に電位走査したとき,+1.0V(vs.Ag/AgCl)付近で得られるピーク電流値と塩化物イオン濃度との間に良好な比例関係が得られた.定量範囲は2〜900mg/lで,検量線の相関係数は0.998であった.+0.5〜+1.3Vの狭い範囲を数回電位走査すれば,再現性の良い波形が得られる.Ag及びHg(II)以外の金属イオンはほとんど妨害しない.しかし,ヨウ化物及び臭化物イオンは微量でも妨害するため除去する必要がある.本法はフルオレセインを用いる硝酸銀滴定によるファヤンス法と比較した場合,平均値の相対誤差は+5%,標準偏差は8%でやや大きいが,広い濃度範囲の塩化物イオンを短時間で定量できる利点がある.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1989-09-05
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