クロムアズロールSを固定した機能性シリカゲルによる天然水中の微量アルミニウムの分離濃縮と誘導結合プラズマ発光分析による定量(<特集>環境科学と分析化学)
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概要
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プロピルイソチオウロニウム基(PIT)を保持した陰イオン交換シリカゲルにクロムアズロールS(CAS)を固定したシリカゲル(CPS)を合成し, 天然水中の微量アルミニウムの分離濃縮を検討した.イオン結合部分にフッ素樹脂(PTFE)の被膜を形成させるコーティング法を応用して, CASの固定を強化した.CASの固定量は3.1μmol g^<-1>であった.10ml min^<-1>の流量とpH5以上の条件で, カラム法によって1000mlまでの試料溶液中のAl(III)が定量的に吸着され, 溶離剤に0.1M塩酸の20mlを使用すると, 99%以上の回収率と50倍の濃縮倍率が得られた.ICP-AESの検出下限は0.28ppbであった.本法は, 海水などの濃厚な塩溶液中のAl(III)も濃縮でき, 連続20回の濃縮操作を繰り返しても, フッ素樹脂をコーティングしたCPS(CPS-F)の捕集能力は変化しなかった.本法を水道水, 河川水そして海水中のアルミニウムの定量に応用し, 満足する結果を得た.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1994-12-05
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