Bindschedler's greenロイコ塩基の臭素酸カリウム酸化反応における触媒作用を利用した超微量バナジウムの吸光光度定量
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概要
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Bindschedler's greenロイコ塩基(BGL)の臭素酸カリウム酸化反応におけるバナジウムの触媒作用を利用して吸光光度法により8 Pg/mlまでの超微量バナジウムを定量できる方法を確立した.弱酸性溶液中,バナジウム(IV),(V)が存在するとBGLは臭素酸カリウムにより接触的に酸化され,725nmに吸収極大を持つBindschedler's green(BG)が生成する.BGの発色速度はバナジウム濃度に依存し,定時間法により反応開始後一定時間内に生成したBGの吸光度(波長725nm)とバナジウム濃度の間には比例関係が成立した.7.8×10^<-4>M BGL,3.2×10^<-2>M臭素酸カリウム,pH3.8,反応温度25℃,反応時間10分の測定条件では,0〜0.12ng/mlのバナジウムと吸光度の間に良好な直線関係が得られた.定量下限は8 pg/mlであり,感度(吸光度0.001に相当)は0.15 pg/mlであった.0.06ng/mlのバナジウムの繰り返し実験における変動係数は3.5%(n=10)であった.大部分のイオンは10000倍量程度の共存でも妨害しなかった.銅(II)は1000倍量,鉄(III)はフッ化物イオンを加えることで1000倍量までの共存が許された.本法を河川水,水道水中のバナジウムの定量に応用し良好な結果を得た.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1980-11-05
著者
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