高分解能質量分析法によるテトラクロロベンゼンとその重水素化物の分別定量
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概要
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重水素化合物を用いた実験は反応機構解析の有力な方法であり,反応生成物などの分析にはMSが用いられる.塩素には2種類の安定同位体(質量数35及び37)が存在するため,重水素を2個持つ有機塩素化合物の分析は通常の分解能を有する質量分析計では困難である,著者は水素と重水素の質量差が1.006amuであることに着目し,テトラクロロベンゼン及びその分子中に重水素を2個含む置換体の定量分析を試みた.すなわち,高分解能質量分析計を用いた多重検出法により上記化合物を分離定量し,定量限界(S/N>10として0.015mg/l)を定めた.次に上記化合物相互間における干渉を検討した結果,m/z217.9007において重水素を2個含む置換体を定量すれば,試料中に共存するテトラクロロベンゼン濃度の約0.5%が定量値に影響することが明らかとなった.更にジクロロメタン-d_2燃焼ガス中のC_6H_2Cl_4及びC_6D_2Cl_4の定量を行った.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1988-07-05
著者
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