還元気化-直流プラズマ発光分光分析法による微量ホスフィン酸,ホスホン酸の分別定量

概要

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ホスフィン酸,ホスホン酸を水素化リンに還元した後直流プラズマに送入し,これらの化合物を分別定量する方法について検討した.試料をpHフとした後ヨウ素を添加し,ホスホン酸のみをリン酸に酸化した.次に塩化ニッケル溶液,塩化スズ(II)溶液を加え,1.6 N塩酸酸性として亜鉛粒を加え,残っているホスフィン酸を水素化リンとし,液体窒素で捕集した.捕集後,U字管を室温で20秒間放置してから,プラズマ中に水素化リンを送入してP I 214.91nm 発光強度を測定しホスフィン酸の量を求めた.同じ試料につきヨウ素処理をせずに同様に水素化リンを発生させ,ホスフィン酸とホスホン酸の合量をホスフィン酸の検量線から求めた.ホスフィン酸とホスホン酸の検量線の傾きの比は,5.18:1 であったので,ホスホン酸の量を次の式から計算した.P(III)μg = 5.18×[(ホスフィン酸の検量線から求めたP(I)とP(III)の合量-{前もって求めたP(I)の量}) 本法の検出下限はホスフィン酸,ホスホン酸に対してそれぞれ1.5ng P/ml,7.9ng P/ml,標準偏差パーセント(n=10)は25ng P(I)/ml,150ng P (III)/mlに対してそれぞれ3.5%及び4.0%であった.合成試料を用いた回収率試験の結果は満足できるものであった.
社団法人日本分析化学会の論文
1981-06-05