イオン交換濃縮分離/誘導結合プラズマ発光分析法による微量ホウ素の定量(<特集>超微量分析のための前処理と予備濃縮)
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概要
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ICP-AESによるホウ素(B)の高感度,選択的定量のため,濃縮と分離の前処理にB専用イオン交換樹脂,Amberlite XE-243を用いるイオン交換法を応用した.カラムは3mm×50mmであり,40〜80メッシュの樹脂をポリエチレン管に詰めて作った.Bの吸着と溶離の条件を検討し,溶離液として0.5M塩酸を用いた.溶離液は試料とは逆方向にカラムに流してBを溶離し,直接装置に導入した.これにより,鋭い溶離曲線が得られ,B I 249.773nmにおけるBの発光強度の積分時間を80秒に短縮できた.炭酸イオンとFe(III)キレートイオンが妨害し,前者はあらかじめ減圧下で煮沸して除き,後者は吸着後のカラムを塩化アンモニウム溶液により洗浄して除去した.本法により河川水中のppbレベルのBを濃縮・定量することができ,又鉄鋼標準試料中のBをFeの妨害を受けずに精度よく定量でき,標準値と一致した値が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1987-11-05
著者
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